TVCMなども「大切なお知らせとお願い」に差し替えられており、
知らない人はもういないかもしれないこの騒動。
例によって例のごとく知らないかもしれないので
りかこ用にまとめておきます。
今年に入って、松下電器産業製の石油温風器
(これは壁に穴をあけて室外に吸排気口があるかなり古いタイプのもののようです。)
を使用中に漏れた一酸化炭素による、一酸化炭素中毒事故が
1月、2月、4月の計3件発生しました。
そのうち1件は死亡事故です。
これは排気用のゴムホース部分に構造的な欠陥があり、
ゴムが劣化して亀裂が入り一酸化炭素を含む排気ガスが漏れたことが原因でした。
この件で経済産業省から指導をうけた松下電器は4月21日、
この石油温風器の欠陥について社告をし、リコール(無料修理)を開始しました。
しかし11月21日、
修理を行われないまま使用されていた製品でさらなる死亡事故が発生してしまいます。
経済産業省は松下電器に対し、
消費生活用製品安全法に基づく緊急命令を発動。
(ちなみにこの緊急命令が発動されたのは法が制定されて以来、史上初。
それだけ今回がとんでもない非常事態ってことで)
まあ、ようするに
「お前ら危ないもん売ってそのまんまにしとくな、責任とれやオラー(▼皿▼メ)」
と怒られたわけですね。
松下は慌てて、年末商戦へ向けて用意していたあらゆるCMをキャンセル。
全社・全製品のCMを「大切なお知らせとお願い」に差し替えて対応していました。
ところが。
事件はこれだけでは終わりませんでした。
12月2日、松下電器製の石油温風器を使用していた山形県の男性が
一酸化炭素中毒で意識不明の重体になる事故が発生しました。
しかも、男性が使用していた製品は
10月に修理・部品交換済みのものだったのです。
松下電器が用意していた、この交換用のホース(銅製)は
「従来のゴムホースより重いうえ、取り付け部分のかみ合わせが浅いため、抜け落ちやすい」
という、構造的な問題を指摘する声が現場からあがっていたそうなのですが、
なんと松下側は「きちんと取り付ければ問題ない」と、これに取り合わなかったというのです。
事故は、その銅製ホースがはずれて発生しました。
リコールをし、回収・修理をしてお詫びし、
今度は絶対に安全ですと渡した製品にもかかわらずの事故。
しかも、それは松下が現場の声をくみ、
きちんと検証・対策をとっていれば未然に防げた事故でした。
さすがにやばいと思ったんでしょう。
松下はこれ以上被害を拡大しないため、
社員1400人にガソリンスタンドなどを巡回させ、ビラを配って必死に呼びかけているそうです。
CMも全部差し替え、とうぜん年末商戦もあったもんじゃなく、
100億円規模の損失が出そうということ。
松下グループは忘年会とかも全部キャンセルというから、
社員10万人もいる企業だけに、まったくもって関係ない部署の人もいるだろうし
とばっちり食らった人も多いでしょうね。ちょっとかわいそう。
かつて職人たちが長い年月をかけ、情熱と創意工夫で積み重ねてきた
松下電器産業(ナショナル)のブランドイメージ、信頼。
それらは今、音をたてて崩れさろうとしています。
超巨大企業となり、いつのまにか変わってしまっていた松下電器産業の体質。
俺には何かそこに、
昔と今のSONYの違いに通じるものがあるような気がしてなりませんでした。
※駅長からみなさまへ
えーと、これから寒さも本格的になり暖房全開になっていくと思います。
みなさん、1時間に1回は部屋の換気をしましょうね(´ー`*)