駅長雑記



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2005/12/11(日) [長年日記]

_ [ゲーム] その後の次世代ゲーム機 【前編】

以前、この雑記でも話題にあげた次世代ゲーム機3機種。

まずはゲイツのX-box360(以下、サンロクマル)が発売されたわけですが、
前回の記事で俺は注目したい順位を

レボリューション > PS3 >>>>>>>> サンロクマル

のように持っていたようですね。

しかし、それは大きな間違いでした。申し訳ない_| ̄|○


「カタログスペック」

まず、「サンロクマルEND」発言を撤回しないといけないようです(´Д`;)

あのときサンロクマル終了宣言を出した最大最強の根拠が、
PS3の浮動小数点性能でした。
(PS3は2テラ、サンロクマルは1テラ。1テラ=1000ギガ。ちなみにPS2は6.2ギガ。)

SCE(ソニーコンピュータエンタテインメント)の久夛良木久夛良木くたらぎくたらぎ社長は
プレステ2のときもPSPのときもそうだったように
やたらと この浮動小数点性能に代表されるスペックを全面に押し出してきます。

しかし、この浮動小数点性能というやつはそれほど重要なんでしょうか?

答えはノーです。


この冬注目のゲームの1つに『PS2版バイオハザード4』がありますが、
これじつはゲームキューブ版の劣化版だということです(´Д`;)

主人公キャラの描画にゲームキューブ版では1500万ポリゴン/秒使っていたところを
PS2だと1000万ポリゴン/秒しか使えないから、とのこと。

いや、待ってください。
PS2は、カタログスペックでは秒間7500万ポリゴンが表示できるはず。

とうぜん背景やらその他のオブジェクトにもポリゴンは使われてるわけですが、
稼働スペックが600万〜1200万ポリゴンのゲームキューブに表示できて
PS2に表示できないはずないじゃないですか。

超人でいうなら、1000万パワーのバッファローマンが
火事場のクソ力なし(100万パワー未満)のキン肉マンに負けるようなもの( ´ー`)=3 ありえね〜


「ゲームに対する姿勢の違い」

ここで問題なのが、
SCEと任天堂のハードに対する考え方
さらに言えばゲームそのものに対する姿勢の違いです。

SCEは先述のとおり、
カタログスペックであるピーク時の数値にばかりこだわり、
久夛良木社長はそれを鼻にかけて他社をこき下ろすスペック厨としてすっかり有名です。

一方の任天堂ゲームキューブは、
「ソフト開発にとって役に立たないピーク性能よりも、
常に一定以上の性能を持続することを重視」して設計されています。


では、『バイオ4』では何が問題だったのか。
答えは簡単、
PS2はCPUパワーこそあるがメモリが足りていなかったのです。
『バイオ4』で主人公に1500万ポリゴン割くと、メモリ不足で処理落ちするため
1000万ポリゴンまで減らした(劣化させた)ということ。

ゲームキューブはボトルネックが発生しないよう慎重な工夫がされており
メモリに関しても高速かつ大容量のものを積んでいるので、
結果としてPS2よりも総合性能で上回っていたんです。

どうやらバッファローマンと思っていたPS2は、
紅茶を飲まれただけで死ぬティーカップマンだったようです(´Д`;)


「PS3の不安点」

で。
問題のPS3

SCEが吠えまくってて、以前俺も騙されたCell CPU、
その性能を使いこなせるかどうかも問題ですが、
Cellそのものにも「?」が付きはじめたようで。

SONYが社運を賭けるCellを
マックPCに載せてもらうようアップル社に働きかけたところ
アップルいわく、「効率が悪すぎる。現行のハイエンドPCより劣る」と切って捨てられたとのこと。


さらに、
ゲームショーで驚愕の超絶美麗なゲーム画面の映像を公開し、
これがCellの力ですと勝ち誇っていたSCE(というか久夛良木社長)ですが

じつはその映像はすべてCell CPUであらかじめ描かれたもの
(リアルタイムではない動画。見てるだけの、ゲームで言うところのいわゆるムービー。)であり
PS3に搭載され実際にゲーム画面を描くグラフィックエンジンは
開発を担当しているNVIDIAによれば「まだ完成していない」とのこと。

「PS3が完成すればこのクオリティで動くんですよ」ってのがSCEの言い分なんでしょうけど、
発表時にはそういうことは伏せてあるのがミソですね。
あの映像をみてサンロクマルENDと思った人もいたでしょうから。


ただし。
これら3つの事実はあくまでも、PS3がおいおい大丈夫なのか?というモノである証拠。
サンロクマルに期待できそうかどうかとは別問題ですが
Cell CPUの性能がどれだけ発揮できるか、まったくの不透明な現段階では
少なくとも、PS3のほうが性能上だからサンロクマルENDという判断を下すのは時期尚早のようです。


重要なのはカタログスペックじゃないんです。
パソコンでいうなら、LANの転送速度とかそうですよね。
理論値100メガのLANを組んだからって実際に速度が100メガ出るわけじゃない、と。
勘違いしがちですけど、本来カタログスペックってのはそういうものですから。


さて。
遅ればせながら、俺のなかでもPS3とサンロクマルが同じ土俵にあがりました。

しかし、重要なのはここからです。

どんなにハードが良くても、
けっきょくはやりたいゲーム、欲しいゲームが出なければ
結果としてそのハードも「欲しいハード」とは言えなくなってしまいます。

PS1時代も(サターン、ロクヨンが消え)、
PS2時代も(ドリキャス、キューブ、X-box1が消えました)
ずっとそうでした。

ではPS3はどうなるのか?


それは、明日の後編で。

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