キッチン



椅子に縛られた奈美。。。


そして、その近くにも奈美。。。


『奈美が2人!?』


『ナオミが暴れるから・・・』


そう言ったのは、縛られてない方の奈美。


ナオミが暴れて、自分を刺そうとするから、椅子に縛ったのだと言う。


(奈美が・・・ 暴れるからといって実の姉を縛るだろうか?)


(こっちはナオミだ・・!!)


縛られている奈美の縄をほどこうとする。


『ナオミの額には火傷の跡があるわっ!』


背後で奈美は叫んだ。


『でも、そのナオミの額を調べるなら・・・』

『私を・・・信じてくれないのなら・・・』

『そっちが奈美だと思うなら・・・ 私はここで死ぬわっ』


そういうと、奈美は自分のノドにナイフを付き当てる。


『そっちが奈美だと思うなら・・・私は必要ないわね。。。』


そう言う奈美の目には涙が流れた。



(どうする・・・!?)


(縛られている方が奈美だ!!)


縄をほどく。


すると、背後からナイフがっ!!

寸前のところでかわし、まだ意識がはっきりしない奈美を抱えて部屋を出る。


屋敷の至る所で火の手が上がる。

地下のボイラーの爆発が近いらしい!!


抱えていた奈美が意識を取り戻す。


『あれ・・ 私・・・。』

『ナオミに縛られて・・・ それから・・・。』


『奈美っ! 今は逃げる方が先だ!!』


玄関ホールまでたどり着く。


しかし、倒れてきた柱が、2人を裂く!


『奈美っ! お前はそっちから逃げろ!!』

『俺はこっちから逃げる!!』


『解った!!』


玄関の扉に体当たりをし、外に飛び出す。


急いで奈美が出てくるであろう裏口へまわる。


奈美は、まだ出てきていない。


・・・と、フラフラと倒れそうになりながら、奈美は出てきた。


奈美を担ぎ、屋敷を離れる。



屋敷の火が勢いを増す。



『助かった・・・。』



もう悪夢は終わったのだ。

ミイラも、ナオミももういない。

いつも通りの2人に戻れる。。。


安心しきった俺に、屋敷の方から聞き覚えのある声が聞こえた。



『・・・さーーーん。』


(奈美の声だ!!)


そんなバカなっ!!

奈美はここにっ!!


振り返った俺の目に映ったものは・・・


奈美は、手で前髪をあげていた。。。。




そこに    あ っ た の は ・・・




END